子どもの教育費の準備というと学資保険をイメージされる方が多いと思います。
毎月保険料を支払うことで、まとまったお金を準備できるので、学資保険は現在も人気商品になっています。
しかし、マイナス金利政策が始まって以降、貯蓄性の高い学資保険の販売を中止した保険会社も多いのが現実です。
住友生命の「こどもすくすく保険」は、払い込んだ金額よりも大きい金額をお祝い金として受け取れるので人気になっています。
他にも医療保障などの特約を追加することも可能で、自分に合ったプランをつくることができます。
この記事では、パパママに人気の住友生命「こどもすくすく保険」をご紹介します。
住友生命ってどんな保険会社?
住友生命は設立が明治40年(1907年)と1世紀以上の歴史を誇る生命保険会社です。
本社は大阪市中央区にあり、日本生命・第一生命・明治安田生命とともに「国内大手生保」と呼ばれています。
全国に87支社、従業員は40000人超と大手ならではの安心感があります。
相互会社とは?
保険会社には相互会社と株式会社の2つがあります。
相互会社は保険契約者の相互扶助がベースになっており、契約者のことを社員、従業員のことを職員と言います。
対する株式会社は、他の業態と同様で株主がいるため利益の追求が必要になります。
2010年に第一生命が相互会社から株式会社になり世間から注目されました。
住友生命は現在も相互会社で経営しています。
参考⇒保険業法|e-Gov

こどもすくすく保険ってどんな学資保険?
ここからは住友生命の「こどもすくすく保険」の内容について見ていきましょう。
まずは、概要を表にまとめたのでご覧ください。
それぞれの内容について、詳細を説明していきます。
満期時期は18歳と22歳から選べる
こどもすくすく保険は、満期のタイミングを18歳と22歳の2パターンから選ぶことができます。
それぞれのイメージ図をご覧ください。
18歳満期

18歳満期の場合、学資祝金が2回と満期祝金を受け取ることができます。
学資祝金は基本保険金額の10%、満期祝金は基本保険金額の100%のため、合計で120%受け取れる形になります。
18歳満期のメリットは、大学入学のタイミングで大きな金額を受け取ることができる点です。
一方でデメリットとして保障も18歳で終わってしまう点が挙げられます。
後述する保険料払込免除特約や医療保障も18歳で切れることになるので、注意が必要です
22歳満期

22歳満期の場合は上記に加えて18歳で基本保険金額の30%の学資祝金を受け取れます。
そのため合計で基本保険金額の150%を受け取ることになります。
ただ、18歳でもお祝い金を受け取ることはできますが、一番大きい金額を受け取れるのは22歳となります。
そのため、満期金をこどもの独立や結婚のために使う方には22歳満期がおすすめです。
保険料払込免除特約や医療保障も22歳まで継続して持つことができます。
契約者年齢
住友生命のこどもすくすく保険は、パパママ世代だけでなく、おじいちゃんおばあちゃん世代も契約者になることができます。
保険会社によっては、契約者年齢が40代までということもあるので、幅広い年齢層の方が契約できる学資保険と言えます。
被保険者年齢
0歳から9歳のお子様が加入できます。
学資保険は2歳までという保険会社もありから、出生時に加入しそびれてしまった方にもおすすめです。
出生前加入
学資保険は他の保険と異なり、被保険者(赤ちゃん)が生まれる前でも契約することができます。
出生予定日の140日前から契約することができ、出生届けなどが終わってから保険会社に赤ちゃんの名前と生年月日を連絡します。
契約後に万一、流産や死産などで生まれなかった場合、所定の手続きをすることで払った保険料は返還され契約は消滅します。
死亡保障
積立型の学資保険では、死亡時に○万円という死亡保障がついているものは少ないです。
しかし、死亡保障がゼロというわけではなく、払った保険料から受け取った学資祝い金を引いた金額が、死亡保険金として支払われます。
ただし、学資保険の死亡保障はこどもが死亡したときの保障です。
契約者が亡くなった際に支払われるものではないので注意が必要です。
保険料払込期間
18歳満期の場合は以下の2通り、
- 12歳
- 15歳
22歳満期の場合は以下の3通り、
- 12歳
- 15歳
- 18歳
これらから保険料を何歳まで払い込むか選ぶことができます。
一般的に、毎月の保険料は払込期間が長いほうが安くなります。
しかし、返戻率(払い込んだ保険料に対する祝金の増え幅)は払込期間が短い方がよく、トータルの保険料も12歳までで払込を終えるのが最も安くなります。
学資保険を検討する際、合計の保険料を少なくすることや、返戻率をよくすることを考える方が多いです。
しかし、返戻率を気にするあまり毎月の保険料が家計を圧迫しては意味がありません。
どのぐらいの金額が毎月コンスタントに払っていけるか事前に考えた上で、払込期間を決めることをおすすめします。
返戻率が高い学資保険については、学資保険返戻率ランキングの記事で詳しく解説をしています。
保険料払込回数と前納・一括払い

保険料の払い方は以下の3つから選べます。
保険料をまとめて払うことで割引が発生するので、合計で見ると以下のようになります。
- 月払い>年2回払い>年1回払い
年1回払いの保険料を2年以上まとめて支払うことを前納と言います。
前納する場合、更に保険料が割引になりますが、詳細は保険会社にご確認ください。
一括払いは、月払い保険料まとめて支払う方法です。
何か月か分をまとめて支払う方法なので、1年未満の場合は前納ではなく一括払いになります。
3か月以上をまとめて支払う場合は割引がききます。
学資保険の賢い払い方についてはこちらの記事で解説をしています。
保険料払込免除
契約者が死亡した場合や所定の高度障害状態に該当したときに、以後の保険料が免除になる特約です。
学資保険はこどもの学費の準備のために加入するものですが、契約者に万一のことがあった場合、契約の継続が難しくなることも少なくありません。
保険料払込免除特約があることで、上記のような場合でも保険料の負担なしで契約を継続することができます。
保険料が免除になったあとも、学資祝金や満期祝金は満額受け取れるので安心ですね。
こどもすくすく保険に付加できる特約
こどもすくすく保険は、お好みで医療保障の特約を追加することができます。
メリットとデメリットは以下になります。

こども総合医療特約

病気やケガでの入院・手術・放射線治療を保障する特約です。


こども入院保障充実特約
不慮の事故による傷害または疾病で1日以上入院されたときに、入院保障充実給付金額が支払われます。
入院の短期化が進んでいますが、入院で準備するもの(例えば、パジャマや生活用品)まで入金給付金で賄うことが難しいのが現状です。
こども入院保障充実特約を付加することで、入院給付金とは別でお金を受け取ることができるので安心ですね。
指定代理請求特約
現在のほとんどの保険で付加されている特約で、特約保険料は無料です。
契約者が高度障害状態などで、保険金請求などの手続きができなくなった際に、契約時に指定した指定代理請求人が代わりに手続きができる特約です。
こどもすくすく保険は配当がある
こどもすくすく保険は配当金がある形の学資保険です。
保険商品の配当金は、保険会社の資産運用で剰余金は発生した場合に、契約者に分配する制度のことです。
こどもすくすく保険は「5年ごと利差配当」です。
最初の配当は契約から6年目で以後5年ごとに分配されます。
配当金は経済事情などによって変動するため、運用実績によってはゼロの場合もあります。
必ずあるものではないので、注意が必要です。
学資祝金・満期祝金の受け取り時期に注意が必要
学資保険のポイントは何と言っても、お祝い金ですよね。
こどもすくすく保険では、学資祝金と満期祝金の受け取り時期は契約応答日となっています。
他の保険会社では「○歳の誕生日の次の2月」といったように、入学のタイミングで受け取れるようになっていますが、こどもすくすく保険は自分で契約時に調整する必要があります。
お祝い金を受け取れる時期が1年ずれることを避けるためにも、契約時に担当者に確認しましょう。
契約者貸付が使える
学資保険は10年以上の長い期間積み立てる商品で、途中解約は一般的に損と言われています。
契約途中でお金が入用になった場合のご質問もよくいただきます。
こどもすくすく保険は、解約金の一定範囲内で貸付を受けることが可能な商品になっています。
ただし、契約者貸付には所定の利率で利息が上乗せされるので、事前によく確認しなければなりません。
万一、貸付金と利息を合わせた金額が解約金をオーバーする場合は保険会社から通知が来ます。
通知に対応しないと契約が失効となるので、保険会社に確認しましょう。
FPが住友生命の学資保険『こどもすくすく保険』の返戻率をシミュレーション
学資保険加入で最も気になるのが返戻率ですよね。
ここでは実際のプランと保険料から、返戻率はどれぐらいかを表にしています。
- 被保険者0歳(男女共通)
- 基本保険金額100万円
- 18歳満期
- 保険料払込期間12歳まで
上記のプランの場合をお伝えします。
契約者が男性よりも女性の方が保険料は安く、返戻率も少しよくなることがわかります。
しかし、100%を上回っているものの特段いいわけではありません。
貯蓄重視で検討されている方にはあまり魅力的に感じないかもしれません。
更に、上記でお伝えした医療保障の特約をつけることで、返戻率は100%を切ってしまいます。
特約をつけずに上記の返戻率で加入して、医療保障は他で契約するのも選択肢の一つかもしれません。
こどもすくすく保険にお得に加入するには?
同じ学資保険であっても、すこし契約内容を変えるだけで返戻率は変わることが多いです。
こどもすくすく保険に加入する際に考えられる方法は以下の4点です。
- できるだけ若い方が契約者になる、もしくは女性が契約者になる
- 保険料の払い方を年1回払いにする
- 保険料の払込期間は12歳までにする
- 契約後、前納や一括払いを活用する
学資保険の保険料は、被保険者(こども)の年齢と契約者の年齢で決まります。
どちらも若ければ若いほど、保険料は安くなります。
しかし、年齢については契約時点でどうしようもないことの方が多いですよね。
年齢以外でできることとしては、月払いから年1回払いに変えることが最も簡単です。
他にも払込期間を短くすることが挙げられます。
保険料の払込期間は12歳までが最短なので、12歳を選ぶのも選択肢の一つです。
また、前納や一括払いは契約後にまとまったお金がある場合に使える方法です。
契約後に利用するかもしれない方は、割引率などについて保険会社に直接ご確認ください。
学資保険に加入するタイミングは?
現在は学資保険の種類も少しずつ増えていますが、マイナス金利政策以後、販売を停止した保険会社が多かったです。
保険料率についても、年度初め以外のタイミングで変わっている保険会社が今もあります。
加入を検討している途中で販売休止になったり、保険料が変わったりすることも十分にあり得ます。
学資保険に加入するのに、タイミングが重要とも言えます。
契約まで余裕を持って検討することをおすすめします。
住友生命の学資保険『こどもすくすく保険』まとめ

住友生命の「こどもすくすく保険」は、積立と医療保障の両方を確保したい方におすすめの学資保険です。
ただ、積み立てて少しでも大きい金額を受け取りたいという方には、返戻率がネックに感じるかもしれません。
学資保険に何を求めるか考えた上で、探していくことをおすすめします。

コメントを残す