ソニー生命の学資保険と明治安田生命の学資保険を比較!6つのポイントとシミュレーション

子どもの将来のことを考えると心配になってくるのが教育資金の問題です。そこで周りのパパ友、ママ友に聞いてみると、どうやら「学資保険」に加入すると良いらしいことが分かります。

そして更に具体的に突っ込んで聞いていくと、必ずと言って良いほど名前が挙がってくるのが「ソニー生命の学資保険」と「明治安田生命のつみたて学資」。どちらの評判も良く、「結局どっちが良いの?」と聞いてみても、各家庭によって環境や経済状況が違うのでいまいちよく分かりません。

そこで今回の記事では、
1.返戻率
2.受取プラン
3.払込み方法
4.契約者の加入可能年齢
5.満期の種類
といった違いが出やすい5つのポイントを選び、シミュレーションを交えて両者を徹底比較しました。

ソニー生命と明治安田生命で迷っている方はもちろん、これから学資保険を検討しようと考えている方にも参考になると思います。
どうぞ最後までお付き合いください。

ソニー生命 明治安田生命 学資保険5つの比較ポイント

1. 返戻率で比較する

返戻率とは?

返戻率とは、「預けたお金がどれくらい増えて返ってくるか」を表した利率のこと。
受け取ることのできる学資金の総額÷払込んだ保険料の総額×100という計算式で算出します。

例えば学資金の総額が110万円、保険料の総額が100万円だった場合、
1,100,000÷1,000,000×100=110% となります。
学資保険に加入する方の目的は「教育資金を貯める」ことですから、当然この返戻率は高い方が良いわけです。ではソニー生命と明治安田生命の学資保険の場合、返戻率はどうなっているのでしょうか?

ソニー生命の学資保険の返戻率

長らく続く超低金利政策の影響で、返戻率が100%を割ってしまう、つまり預けたお金が「減って」戻ってくる学資保険さえある中で、ソニー生命の学資保険はトップクラスの返戻率を誇っています。

学資金を18歳~22歳の間に5回に分けて毎年受け取るⅢ型を選択し、契約者が30歳男性・被保険者(子供)が0歳の場合でシミュレーションしてみます。(保険料払込期間10年 月払い 受取総額200万円または300万円)

保険料払込期間 10 年 10 年
保険料(月払い) ¥15,540 ¥23,310
払込保険料総額 約¥1,864,800 約¥2,797,200
受取総額 約¥2,000,000 約¥3,000,000
返戻率 ~106.3% ~106.3%

102.6-106.3%と非常に高い返戻率となっています。
また注目したいのは、受取総額の多少に関わらず、返戻率が変わらないという点です。「たくさんお金を預けてくれるなら返戻率をアップしますよ」という学資保険も多い中、これは嬉しいポイントです。

明治安田生命のつみたて学資の返戻率


明治安田生命のつみたて学資の場合、受取方法は18歳~21歳の間に4回に分けて毎年受け取る方法のみとなります。
ソニー生命と同じように、契約者が30歳男性・被保険者(子供)が0歳の場合でシミュレーションしてみます。
(保険料払込期間10年 月払い 受取総額200万円または300万円)

保険料払込期間 10 年 10 年
保険料(月払い) ¥15,910 ¥23,640
払込保険料総額 ¥1,909,200 ¥2,836,800
受取総額 ¥2,000,000 ¥3,000,000
返戻率 104,75% 105.75%

ソニー生命よりは若干下がりますが、それでも高い返戻率となっています。ただ気になるのは、受取総額によって返戻率が変わってくるという点です。

300万円を下回ると返戻率が急に下がってしまう


明治安田生命のつみたて学資の場合、受取総額が300万円以上になると保険料の「高額割引」が適用され、保険料が安くなります。つまり返戻率が上がるわけです。逆に言うと300万円以下になると返戻率は下がってしまうことになります。

返戻率比較の結果

ほぼ同じ条件で受取総額を300万円で揃えた場合、ソニー生命の方が約「1.5%」返戻率が高くなります。また受取総額が300万円以下となった場合、この差は更に拡がります。ただし明治安田生命のつみたて学資には「保険料の一括払いで返戻率を上げる」という方法があります。これについてはまた後でご説明いたします。

2. 受取プランの柔軟性で比較する

受取プランに柔軟性があった方が良い理由

いくら返戻率が高くお金が増えて戻ってきても、「必要な時」に受け取ることができなくては意味がありません。例えば小・中・高と公立校に通い大学だけ私立大学に進学する場合は、大学進学時にまとめて学資金を受け取る方法が良いでしょう。

一方小学校から付属校に入学し、大学まで内部進学できる場合などは、中等部、高等部、大学への進学時に寄付金などがかかるので、その都度学資金があると助かります。また地方から東京などの大学に進学し、一人暮らしを始める場合は「大学在学中」が一番お金がかかります。

このように各家庭の教育方針や子どもの進路によって「お金が必要な時期」は変わってくるのです。そのため受取プランに柔軟性がある方がベターといえます。

ソニー生命学資保険の受取プラン


ソニー生命の学資保険では、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型という3つの受取プランを用意しています。

I型

大学進学時だけではなく、中学・高校入学時の費用にも学資金を受け取ることのできるプランです。17歳または18歳満期で満期時に受け取れる金額が100万円だとすると、中学・高校進学時にもその30%にあたる額を受取ることができます。

年齢 12歳 15歳 17歳または18歳
学資金額 30万円 30万円 100万円

II型

大学進学時に一括して学資金を受け取ることのできるプランです。17歳または18歳の満期時に一括で学資金を受け取ります。

   年齢 17歳または18歳
学資金額 200万円

Ⅲ型

大学4年間の生活費などをカバーするプランです。22歳時の満期金を40万円だとすると、18歳から毎年5年間同額を受取ることができます。(受取総額200万円の場合)

年齢 18歳 19歳 20歳 21歳 22歳
学資金額 40万円 40万円 40万円 40万円 40万円

明治安田生命つみたて学資の受取プラン

明治安田生命のつみたて学資の場合、受取プランは1種類しかありません。

年齢 18歳 19歳 20歳 21歳
学資金額 50万円 50万円 50万円 50万円

21歳の満期金が50万円だとすると、18歳から毎年同額を受け取る(受取総額200万円の場合)というソニー生命のⅢ型とほぼ同じプランです。

受取プランの柔軟性比較の結果

Ⅰ~Ⅲ型と3つの受取プランを用意するソニー生命の学資保険に対し、明治安田生命のつみたて学資の場合、ソニー生命のⅢ型に相当するプランしか選択することができません。

中学校、高校入学時に教育資金が必要な場合や、大学入学時の受験費用、入学金などのまとまった費用の準備などには対応できないことになります。そのため明治安田生命のつみたて学資の場合、お子さんの進路などをよく見極めた上で検討する必要があります。

3. 払込み方法の豊富さで比較する


ここでは月払いや年払いといった保険料の払込み方法を比較します。

払込み方法が豊富な方が良い理由

保険会社は契約者から預かった保険料を運用し、増やした上で将来学資金として還元します。この運用をする際、少額の資金よりも、まとまった資金を運用した方が運用実績は上がりやすくなります。「10万円を運用するより100万円を運用した方が利息が多く付く」といったことです。

したがって、保険会社としては契約者から「できるだけまとめて」お金を預かった方が運用しやすくなり、お金が増やしやすくなります。つまり、月払いより年払い、究極的には一括払いが一番お金が増やせるわけです。お金が増やせるということは、契約者側からみると「返戻率が上がる」ということになります。そこでこの払込み方法が問題となるわけです。

一時払いと全期前納払いの違い

返戻率のことだけを考えれば、保険料の支払いは契約時に「一括払い」をするのがベストです。ちなみに一括払いには「一時払い」と「全期前納払い」の2種類があります。契約時に保険料を一括で支払うのはどちらも同じなのですが、一時払いは支払った瞬間にお金は保険会社のものとなり、保険会社はすぐに全額運用にまわすことができます。

一方全期前納払いの場合、保険会社は「お金を預かっているだけ」なのです。そしてその預かっているお金の中から、月払いなら毎月、年払いなら毎年保険料を引いていきます(それでも通常の月払いや年払いよりは返戻率は高くなります)。

そのため一時払いのようにすぐに全額を運用にまわすわけにはいかないのです。結果として返戻率が一番高くなるのは保険会社が運用のしやすい一時払いなのですが、現在の超低金利政策の元では契約者に対し十分な還元をすることができないため、学資保険で一時払いを扱っている保険会社はありません。従って、全期前納払いに対応しているかどうかが比較のポイントとなります。

ソニー生命学資保険の払込み方法


ソニー生命の学資保険では、現在月払いと年払いしか扱っていません。そのため返戻率を上げようと考えるなら、「支払期間を短く」するしかありません。

18年間支払うのではなく、15年、10年といった「短期払い」にするのです。すると究極の短期払いである一時払いや全期前納払いにはかないませんが、ある程度まで返戻率を上げることができます。

明治安田生命つみたて学資の払込み方法

明治安田生命のつみたて学資では月払いや年払いの他に、全期前納払いを選択することができます。では全期前納にすることでどれくらい返戻率が上がるかシミュレーションで見てみましょう。返戻率の比較のところでみた、契約者が30歳男性・被保険者(子供)0歳、受取総額300万円という場合です。

保険料払込期間 全期前納 10 年
保険料(月払い) ¥23,640
払込保険料総額 ¥2,751,781 ¥2,836,800
受取総額 ¥3,000,000 ¥3,000,000
返戻率 109.02% 105.75%

全期前納払いにすることで3%以上も返戻率が上がっています。
この109.02%という返戻率は、現時点で最高といって良い高いものです。

払込み方法の豊富さ比較の結果

ソニー生命の学資保険は月払いと年払いしか選択の余地はありません。一方明治安田生命のつみたて学資では、全期前納払いを選び返戻率をグッと上げることが可能です。ただ保険料を一括で支払うほどのまとまった資金がある家庭ばかりではありません。あくまでも各家庭の経済状況に合わせた無理のない支払方法を選ぶことが重要です。

4. 契約者(親など)の加入可能年齢で比較する


契約者の加入可能年齢が問題となる理由

学資保険の契約者として想定されているのは主に
・両親
・祖父母(祖父母の場合は親権者の承諾が必要)
となっています。

ただ最近は晩婚化が進んでおり、40代で初めてのお子さん、70代で初孫といったケースも珍しくありません。そのような場合、学資保険の契約者の加入可能年齢が低いと、「学資保険に入りたくても入れない」ということになってしまいます。そこで予めチェックしておく必要があるわけです。

ソニー生命学資保険の契約者加入可能年齢

ソニー生命の学資保険の場合、契約者(親など)の年齢制限は保険料の払込期間と被保険者(子ども)の年齢また満期に関係し、細かく分かれています。今回は22歳満期(他に20歳満期、18歳満期、17歳満期があります)のⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型の契約者年齢を表にしてみました。

保険料の払込期間が長いプラン(22年や18年)では契約者加入可能年齢が低くなっています。これは高齢の方だと長期の保険料払込みは難しいということから制限がかかっているわけです。一方保険料の払込期間10年では、他の条件にもよりますが60代、70代の加入も可能となっています。

Ⅰ型 (22歳満期)

保険料払込期間 被保険者(子供)年齢 契約者年齢
17年 0歳 男性18~38歳
女性16~44歳
15年 0歳 男性18~43歳
女性16~52歳
10年 0歳 男性18~56歳
女性16~65歳
1歳 男性18~51歳
女性16~60歳

Ⅱ型 (22歳満期)

保険料払込期間 被保険者(子供)年齢 契約者年齢
22年 0歳 男性18~40歳
女性16~49歳
18年 0歳 男性18~47歳
女性16~57歳
1歳 男性18~42歳
女性16~51歳
17年 0歳 男性18~49歳
女性16~59歳
1歳 男性18~45歳
女性16~54歳
2歳 男性18~35歳
女性16~41歳
15年 0歳 男性18~53歳
女性16~62歳
1歳 男性18~49歳
女性16~59歳
2歳 男性18~43歳
女性16~51歳
10年 0歳 男性18~62歳
女性16~70歳
1歳 男性18~61歳
女性16~69歳
2歳 男性18~57歳
女性16~66歳
3歳 男性18~49歳
女性16~59歳

Ⅲ型 (22歳満期)

保険料払込期間 被保険者(子供)年齢 契約者年齢
18年 0歳 男性18~49歳
女性16~58歳
1歳 男性18~44歳
女性16~53歳
2歳 男性18~36歳
女性16~42歳
17年 0歳 男性18~51歳
女性16~60歳
1歳 男性18~47歳
女性16~56歳
2歳 男性18~39歳
女性16~46歳
15年 0歳 男性18~54歳
女性16~63歳
1歳 男性18~51歳
女性16~60歳
2歳 男性18~45歳
女性16~55歳
10年 0歳 男性18~63歳
女性16~71歳
1歳 男性18~62歳
女性16~70歳
2歳 男性18~59歳
女性16~68歳
3歳 男性18~53歳
女性16~62歳

明治安田生命学資保険の契約者加入可能年齢


明治安田生命のつみたて学資の場合、契約者加入可能年齢は条件を問わず45歳までとなっています。

契約者の加入可能年齢比較の結果

ソニー生命の学資保険がプランや子どもの年齢などにもよりますが、最長70歳程度まで加入可能としているのに対し、明治安田生命のつみたて学資では「45歳」までしか加入することができません。

これでは晩婚化が進んだ現在、特に2人目、3人目のお子さんの時は両親でも加入が難しくなるケースが出てきます。また祖父母の加入は事実上不可能となっています。この点は事前に必ず確認しておく必要があります。

5. 満期の種類で比較する

満期の種類が問題となる理由

学資金の受取開始時期も大切ですが、総額を受取終わる「満期」の時期も大切です。満期が遅ければ長期間運用ができるので返戻率は上がりますが、18歳時に全額受取りたいのに22歳満期では希望にかないません。このように満期の時期にもフレキシブルさが要求されるのです。

ソニー生命学資保険の満期の種類


ソニー生命の学資保険では17歳,18歳,20歳,22歳の4種類の満期時期を設けています。

明治安田生命学資保険の満期の種類

明治安田生命のつみたて学資では21歳満期のみとなっています。

満期の種類の比較結果

ソニー生命の学資保険が高校卒業時、成人時、大学卒業時と子どもにお金がかかりそうな時期に満期を設定しているのに対し、明治安田生命のつみたて学資では21歳以外選択の余地はありません。満期時期のフレキシブルさではソニー生命がリードしているといえます。

ピンポイントにはまれば明治安田生命、ソニー生命はバランスが良い

ソニー生命の学資保険と明治安田生命のつみたて学資を5つのポイントで比較してきました。
まとめてみると、
明治安田生命のつみたて学資は、
・受取総額300万円
・全期前納払い
の場合は非常に高い返戻率となりますが、受取方法や契約者加入可能年齢、満期時期などの選択肢が少なく、「限られた人向け」の学資保険といえます。

一方ソニー生命の学資保険は高い返戻率とフレキシブルなプランの両立が可能で、どんな方にもおすすめしやすい学資保険となっています。今回の記事が皆様の検討の参考になれば幸いです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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