学資保険と加入条件~年齢や病気によっては入れない?FPがソニー生命やかんぽ生命の条件を解説

保険に加入する時の1番の心配事と言えば、健康状態ではないでしょうか。

学資保険は「保険」でありながら、返戻率という事ばかりがクローズアップされがちです。

その結果、皆さんの学資保険の認識が、歩(ぶ)の良い貯蓄になってはいませんか?

しかし、学資保険はあくまで「保険」です。

お申し込みにあたっては健康状態の審査もありますし、その他にも加入条件があります。

いざお申込み手続きという時にその事に直面して慌てるなんて事がないよう、今から加入条件について詳しく確認しましょう。

学資保険への加入は健康状態が良い事が必須?

まず1つ目は健康状態の審査です。

近頃の健康状態の審査は、わざわざ病院で診察を受けなくてもできる場合が多くなりました。

学資保険の審査方法も正にその形で、書類やパソコン・タブレットで健康状態に関する質問に回答するのです。

医療保険等の特約が付いていない学資保険については、ご契約者である大人(多くはお父様・お母様)と、被保険者であるお子様のうち、ご契約者のみが健康状態の審査対象です。

従って、ご契約者に治療中の病気やケガがなければ何の心配もありません。

しかし、持病があったり、学資保険に入ろうと思った時にたまたま入院していたりすると、思うようにご加入できない事になりかねません。

具体的な質問内容について何社かの例を少し調べてみました。

日本生命


公式HP:日本生命

日本生命の学資保険「ニッセイの学資保険」には、医療保険などの特約は一切付けられません。

健康状態の審査対象はご契約者のみ、審査方法は書類で質問に答える形です。

内容的には、医療保険やがん保険等の一般的な保険と比べるとかなり緩く、僅か3つの事に答えるだけです。

ご参考までに大まかにではありますが、以下にその内容を記します(詳細は各保険会社にご確認下さいね)。

  • 1ヶ月以内の入院をすすめられていないか
  • 2年以内に2週間以上入院していないか(正常分娩による入院は除く)
  • 5年以内に、悪性新生物(がん等)、肝臓・腎臓・心臓・脳・精神・神経の病気、
    インスリン治療や合併症を伴うレベルの糖尿病等で治療を受けていないか

この保険は、最長では22年間の長きにわたり、ご契約者が万一死亡した場合には契約内容はそのまま維持されながらも、保険料は「一切免除が保証」されます。

この審査はかなり緩いと思いますが、如何ですか?

ニッセイの学資保険についてはこちらの記事で詳しく解説をしています。

かんぽ生命


公式HP:かんぽ生命

かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」には、医療特約や災害特約を付けられます。

そして、それら特約を付けるか付けないかに関わらず、全ての場合でお子様とご契約者の双方に健康状態の審査があります。

審査方法は書類で質問に答える形です。

医療特約や災害特約を付けられる事はかんぽ生命の1つの特徴だと言えますが、それらを付けない場合でも被保険者であるお子様の健康状態の審査がある事も大きな特徴ではないでしょうか。

健康状態に関する質問内容はご契約者も被保険者もほぼ同じで、障がいの有無から各種病気の治療の有無に至るまで、細部に及びます。

しかし、1つ緩和されているのは、問われている期間です。

日本生命が、悪性新生物、肝臓・腎臓・心臓・脳・精神・神経の病気、インスリン治療や合併症を伴うレベルの糖尿病について、5年以内を告知対象期間としているのに対し、かんぽ生命は全ての質問が3年以内についてです。

1本の契約で貯蓄と医療保険が管理できるかんぽ生命の学資保険は、親御さんにとっては便利ですよね。

ソニー生命


公式HP:ソニー生命

日本生命同様、医療保険などの特約は一切付けられませんので、健康状態の審査対象もご契約者のみです。

審査方法は書類で質問に答える形で、内容的にも一般的な保険と比べるとかなり緩いものです。

何社かを比べると質問内容に違いがあり、厳しさの度合いも違うと感じます。

しかし、該当する事があるから即ご加入できないというわけでもないようですし(より詳細な告知で判断)、各社共に学資保険の健康状態の審査は自社の他の保険と比べて緩いので、あまりご心配はいりませんよ。

唯一、各社共にお申し込みすらできないとなる状態は、ご契約者・被保険者いずれであっても、審査対象となる人が入院中の場合です。

その理由が正常分娩であっても同様ですので、ご契約者をお子様のお母様にしようとお考えのご夫妻は、出生前加入をご検討されては如何でしょうか。

ソニー生命の学資保険についてはこちらの記事で詳しく解説をしています。

学資保険の加入に年齢制限はある?


もう1つの加入条件には、年齢制限というものがあります。

年齢制限は被保険者であるお子様とご契約者の双方にあり、人によっては健康状態より厳しい制限となるかもしれません。

こちらも保険会社や学資保険のタイプによってかなり異なりますので、上記3社の例で確認しましょう。

日本生命

まずは日本生命から見ていきましょう。

こども祝い金なし型とあり型で分けてみていきます。

こども祝金なし型

大学入学にあたる年齢から毎年1回、合計5回、学資年金を受取る事ができるタイプ。

受取り開始を17才か18才か選択できます。

こども祝金あり型


大学入学にあたる年齢から毎年1回、合計5回の学資年金に加え、小・中・高校の入学時期にこども祝金を受取る事ができるタイプ。

受取り開始を17才か18才か選択できます。

日本生命の保険料払込期間は、5年・10年・17年か18年の学資年金受取り開始時までの3つになります。

ご契約者の年齢によっては、選択肢が限定されます。

詳細は保険会社にご確認下さいね。

余談ですが、私が末子を産んだ時、既に私は年齢制限が原因でニッセイの学資保険こども祝金あり型の契約者資格を失っていた事をいま知りました。

かんぽ生命


つづいてはゆうちょ銀行が運営をしているかんぽ生命のケースを確認しましょう。

ここでは大学入学時の学資金準備コースと小・中・高+大学入学時の学資金準備コース、そして大学入学時+在学中の学資金準備コースといった3パターンでみていきます。

「大学入学時」の学資金準備コース

17才満期と18才満期があり、満期時に1度だけ大きな学資金を受取る事ができるタイプ。

「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース

17才満期と18才満期があり、満期時に大きな学資金を受取れるほか、小・中・高校の入学前に学資祝金を受取る事ができるタイプ。

「大学入学時+在学中」の学資金準備コース


18才の大学入学時から19才・20才・21才までの計4回、同額の学資金を受取る事ができるタイプ。

ソニー生命


年齢制限は単純に「△才までしかご加入できない」というものではありません。

上記の例にもある通り、

  • 「保険料払込期間〇才の場合はお子様▼才・ご契約者△才」

という風に、保険料払込期間によっても変わります。

ソニー生命は学資保険のタイプや保険料払込期間の選択肢も多く、加入可能な年齢範囲も幅広いです。

しかし、保険料払込期間の制限もそれなりにあるので、代表としてソニー生命の例を詳しく見てみましょう。

Ⅰ型

中学・高校・大学などの進学に合わせ、12才・15才に進学学資金を18才に満期学資金を受取る事ができるタイプ。

17才満期
18才満期
20才満期

22才満期

Ⅱ型

大学などの進学時に重点を置き、大学入学に合わせた満期時にのみ満期学資金を受取る事ができるタイプ。

17才満期

18才満期
20才満期
22才満期

Ⅲ型


大学などの進学時から毎年の教育資金の準備として、18才、19才、20才、21才に進学学資金を22才に満期学資金を受取る事ができるタイプ。

(ご契約者の年齢の下限は、男性18才、女性16才です。)

学資保険の加入条件まとめ

さて、加入条件の確認を特徴の違う3社を比較しながら行ってきました。

年齢制限・健康状態、いずれも保険会社によって様々でしたね。

またそれは、保険料払込期間という条件下で更に制限されていましたね。

今の時代は、結婚年齢が二極化しているように感じます。

20才前後で結婚してすぐにお子様を設けるご夫妻もいらっしゃれば、30代後半~40代前半で初産、もしくは第2子・第3子出産という女性もいらっしゃいます。

今回は複数の保険会社で、契約内容が同じでも契約者の年齢が高くなるほど保険料払込期間を短くしなければならないという事を確認しました。

しかし、保険料払込期間が短くなれば1回の保険料が高くなります。

従ってその金額を払い続ける事ができるかという事も、加入資格となってくるのかもしれませんよね。

年齢制限が緩く保険料払込期間の選択肢も多いかんぽ生命、だけど健康の審査は他社より細かい。

ソニー生命と日本生命は年齢制限や保険料払込期間の制限は厳しいけれど、健康状態の審査が緩い。

そこに、最後は皆さんが返戻率という条件を加えて、学資保険を選ぶ事になります。

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