生まれたときしか入れないのでは?と思われがちな学資保険。しかし、その加入可能年齢は、妊娠中から12歳くらいまでと、意外と幅広いラインナップが揃っています。
学資保険の加入を検討するとき、知っておいて欲しいのは以下の3つのポイントです。
これを基本にして、いろいろなパターンを考えていきましょう。
・商品によって、加入可能年齢は変わる
・早く加入するほど、月々の負担は減る
・出生前加入ができる商品がある
やっぱり入っておこう!と思っても、よく考えずに慌てて加入すると、損をしてしまう可能性もあります。
まずはポイントを抑えて、いつ加入するのがベストなのかを見極めていきましょう。
学資保険に加入する際に押さえておきたい3つのポイント

学資保険の資料を並べてみても「どれがいいか分からない」という方は、以下の3つのポイントを知ってから資料を読んでみてください。
「このプランは候補に入れよう、このプランは不要かな…」という仕分けがしやすくなるはずです。
商品によって、加入可能年齢は変わる
加入の最低年齢は、出生前加入もしくは0歳からになります。では上限は何歳かというと、保険会社・商品プランによって大きく異なります。
4歳くらいまでは、おおよそどのプランでも加入は可能ですが、6歳くらいから制約が出てくるでしょう。
これは、18歳程度を満期にして貯める…という学資保険の性質上、「何年間保険料を支払うか」によって設定が大きく異なるためです。
しかし、中には12歳まで加入が可能という商品もあるため、「もう大きくなってきたし、加入はできないかも…」と思われる方も、いろいろな商品を比較してみることをおすすめします。
早く加入するほど、月々の負担は減る

上記でも出ましたが、学資保険は、満期が決まっている商品です。
その満期は、「加入時から何年間」ではなく、「子どもが18歳になるまで」という区切りなので、加入年齢が上がれば上がるほど、お金を貯める期間が短くなってしまうのです。
そのため、短期間でしっかり貯めようと思ったら、月々の保険料は上がります。
逆に、毎月〇円しか貯められない…という場合は、満期時に貯まっている金額が少なくなってしまうという仕組みです。
また、契約者(親)の年齢も関係してきます。
学資保険には契約者が死亡・高度障害状態になったときのための保障も付いていたりしますので、契約者の年齢が上がれば上がるほど、リスクがあるとみなされ、保険料も少しずつ上がっていくのです。
そのため、親子ともに、1歳でも若い方が、保険料を抑えることができるということになるのです。
学資保険の出生前加入について

商品によりますが、生まれる前から学資保険に加入できます。これを「出生前加入」といい、一般的には出産予定日の140日前からの契約が可能となっています。
出生前加入のメリットはおおきく2つ。
まずは、少しでも早く契約をすると、月々の保険料を抑えることができるということ。
ふたつ目は、出産後のバタバタの前に、手続きを済ませてしまえるということです。
出産後は、体力気力も必要ですし、何より保険手続きの時間が取りにくくなります。
その前に手続きを済ませておけるのは大きなメリットです。
140日より前には契約はできません。出生前加入は、安定期に入り、予定日が確定してからの契約になります。
関連記事⇒出産前に学資保険に入れる?子供が産まれる前に出生前加入する3つのメリット
学資保険にこの年齢が一番得!というものはない!自分に合った時期を探そう

3つのポイントを頭に入れたら、さまざまなパターンで考えてみましょう。
生まれる前、もしくは0歳から加入できるなら入っておくのがベスト
お金も時間も余裕があるのに、「学資保険は、子どもがもう少し成長してからでいいや…」と先延ばしにされる方がいますが、それはもったいないですね。
実際に子どもが幼稚園や小学校に上がりはじめて、「さあ、この子は何に興味があって、どんな教育環境を与えてあげられるだろう」と考え始めたときには、お金も時間も余裕がなくなっている可能性があります。
もし0歳から月々10,000円貯めていたら、6歳までに貯まっている教育費はすでに720,000円!そう考えると、先伸ばしにせず、「生まれたら加入する」くらいの気持ちでいる方がお得ですね。
学資保険に入るのが遅れてしまったら、支払い方法を検討する

気が付いたら子どもが7歳…。学資保険に入っておけばよかった!という方もいらっしゃるでしょう。
そのようなときは、まずはその年齢で加入できるプランの資料を広く集めましょう。
同じ学資保険でも、「このプランは6歳までだけど、このプランなら12歳まで加入可能」など、さまざまな選択肢があるケースも。
そして、選ぶときは単に保険料で決めるのではなく、支払い方法の幅の広さにも注目してください。
保険料を支払える期間が短い分、まとめて支払う・年払いにするなどの方法を検討することで、返戻率を少しでも高くすることができるからです。
関連記事⇒学資保険は月払いと年払いどっちがいい?FPが教えるメリットデメリットと変更方法
学資保険に加入することで、まとまったお金を強制的に貯める
まとまったお金が入ってきたときは、学資保険の加入チャンスです。
「小学校の入学お祝い金を親族からたくさんいただいた」「資産を受け継いだ」など、教育費として貯めておけるお金があったら、短期払い・一括払いでの加入がおすすめ。
そのお金は、銀行に入れておくだけではついつい使ってしまうかも知れませんが、学資保険にして満期まで強制力を持たせておくことで、本当に必要なときに使うことができるからです。
第一子で学資保険に加入しておらず、第二子が生まれる予定

上の子どもで学資保険に入りそびれた…そして、2人目の妊娠が分かった…という場合は、無理やり上の子で入るのではなく、ふたり分の予算を下の子の学資保険に入れるということも検討してください。
保険も金融商品ですから、まとまった金額を預ける方が、運用益は高くなります。
受け取るのはどのみち契約者(親)です。
商品にもよりますがたとえば上の子が4歳、下の子が0歳のときに、両方に10,000円ずつかけ始めるのであれば、下の子の学資保険に20,000円かける方が、全体の返戻率は上がる可能性があります。
ただしそうすると、家計全体では得をしますが、上の子の大学入学時の分は別途分けておく必要があります。
その場合は「上の子にかけていなかった4年分をまとめて短期払いにして、14年後のリターンが大きいようにする」などの合わせ技も検討しましょう。
また、子どもの年齢差が4歳以内だと、「ふたりとも大学に通う時期」が発生します。
ふたりとも遠方の大学に入ったり、上の子が大学院に進む選択をしたり…となると、大きな負担になるため、下の子の年齢でがっつり貯めておくというのは悪い選択ではありません。
学資保険に加入する前の注意点

0歳で加入できなかったからといって、諦める必要はありません。
しかし、学資保険に加入する前にはいくつかの注意点があります。
お祝い金は、良し悪し。短期で貯めるなら付けない方がお得
小中高校の入学時に、「お祝い金」という名目で学資を受け取れるプランがありますが、これをセットするかどうかはしっかり計算してから決めましょう。
お祝い金といっても、決してボーナスではありません。自分が積み立てたお金を、小分けにして引き出しているだけです。
そのため、お祝い金を受け取れば受け取るほど、満期時に手元に返ってくる金額は減ることがほとんどです。
特に子どもが少し大きくなってからのお祝い金プラン加入は、「貯めた分がたいして増えずに手元に戻ってくるだけ、大学進学時にはたいして貯まっていない」ということにもなりかねません。
ただし、0歳に近い時期に加入し、お祝い金をこまめに受け取っても、通算しての返戻率が悪くない…というプランに入れるのであれば、お祝い金もメリットになります。
関連記事⇒学資保険のお祝い金とは?いくら貰える?請求方法と税金についてFPが解説
満期の設定に注意

学資保険の満期は、18歳もしくは22歳が一般的です。
これは、大学入学時に向けて備えるか、もしくは卒業時まで備えるかを選べるということです。
返戻率で比べると、当然22歳満期の方が高くなります。
しかし、返戻率だけで22歳満期を契約し、18歳の本当に必要なときにお金がなく、泣く泣く19歳で解約して、返戻率を下げてしまう…という悲劇も起こり得ますから注意が必要です。
ただし、満期の設定はプランによります。また早生まれの子どものために17歳満期を設定している保険会社もあります。
学資保険は、ベストな時期に受け取れることが大切です。
学資保険の支払い保険料シミュレーション

それでは、子どものために300万円貯めたいとき、毎月いくらずつ積み立てていけばよいのかを年齢別にシミュレーションしてみましょう。
前提条件
満期:18歳
満期時に受け取る金額:300万円
子どもが0歳で加入
積み立て可能期間:12カ月×18年間=216月
300万円ためるには:月々の保険料=約13,888円
子どもが3歳で加入
積み立て可能期間:12カ月×15年間=180月
300万円ためるには:月々の保険料=約16,666円
子どもが6歳で加入
積み立て可能期間:12カ月×18年間=144月
300万円ためるには:月々の保険料=約20,833円
子どもが10歳で加入
積み立て可能期間:12カ月×8年間=96月
300万円ためるには:月々の保険料=約31,250円
これは単純計算なので、保険会社の運用利率や、プランによっての返戻率は加味していません。
選ぶプランによっては、もっと保険料が高くなることも、安くなることもあるでしょう。
しかし、「早めに加入した方が無理なく教育費を貯めることができる」という仕組みが、よく分かるかと思います。
返戻率を少しでも高める方法や、返戻率が高い学資保険については下記の記事を参考にしてください。
関連記事⇒学資保険の返戻率とランキング【最新版】
学資保険は、家族にとって将来の大切なお金

学資保険は当然、子どものためのお金ですが、もし将来経済的な余裕ができて、学資保険の満期金に頼らずとも進学させてあげられたら、それはそれでベストです。
学資保険の満期金はそのまま据え置き、運用で増やして、結婚や出産時に渡してあげてもいいでしょう。
また、学資に使わずに済んだら、契約者(親)の老後資金に回すことも可能です。
「学資保険=名義の子どものもの」と思い込まず、将来の家族のため…と思って、早めから準備しておいてみてはいかがでしょうか。
まとめ

子どもが生まれたときから学資保険に加入する…というのは、早すぎると思われているかも知れませんが、1年でも早く加入することで負担が少なく貯められることが分かりました。
学資保険を検討しないとな…と思われるのなら、今の年齢が一番若いということになりますから、まずは返戻率のわかるシミュレーションを取り寄せ、損をしないように検討を進めてみることをおすすめします。

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