学資保険は選び方次第で損をする?FPが教える正しい学資保険選び6つのポイント

パパ、ママになりたての皆さん、或いは上のお子様とはまた違う寝顔を余裕の笑みで見つめている皆さん、おめでとうございます!

そのお幸せは、言葉では言い尽くせないほどだと思います。

私も子を持つ親なのでその気持ちはとっても分かります。

しかし、それと同じくらい大きな責任も感じていらっしゃる事でしょう。

そんな思いで学資保険を調べ頭を悩ませている皆さんの、少しでもお役に立てるよう、学資保険を選ぶ上での6つのチェックポイントと、お勧めの選び方を端的にまとめました。

大切な子どもの将来の為にもぜひ参考にしてくださいね♪

現役FPが教える!学資保険の選び方6つのチェックポイント

保険には、保障期間と保険料払込期間があります。

死亡保険であれ医療保険であれ保険なら何でもそうですが、保障期間が10年、20年と決まっているタイプは、その間中は保険料を払うわけです。

しかし、保障が一生涯続くタイプや学資保険は、保障期間とは別に保険料払込期間を設定する事ができます。

保険料払込期間を短くすれば「保険料はもう払わなくても良いけど保障は続いてるよ」という具合ですね。

これから学資保険を選ぶ上でのチェックポイントを詳述しますが、幾つかのポイントに保険込期間が大きく影響します。

その事をしっかりと覚えておいて下さいね。

学資金の受取り方


学資保険では、学資金の受取り方に関して重要な事が2つあると考えます。

1つは受取り方で、大別すると以下の3つです。

  • 大学の入学に合わせ1度だけ大きな金額を受取る
  • 大きな金額を大学入学から卒業までの4年間に分割して受取る
  • 大学のみならず小・中・高校入学時にも少しずつ受取る

もう1つ大事な事は、大学入学に合わせて学資金を受取ると言っても、それが17才なのか18才なのかという事です。

全く同じプランでも、18才受取り開始の方が保険料は安くなるはずですが…

ここで1つ、皆さんに質問します!

皆さんは学資金をどのタイミングで受取りたいですか?

入学金納入に間に合えば良いですか?

私立大学の受験に間に合う年明け早々にですか?

それとも、AO入試や推薦入試の前ですか?

学資金受取りの月日は、17才受取り開始にした場合は17才になる年の、18才受取り開始にした場合は18才になる年の、契約応当日(例えば5月24日とか2月1日といった契約した月日)です。

18才受取り開始にする場合は、何に間に合わないのかを十分理解した上で決めないと、いざという時に役に立たないなんて事になります。

学資保険に加入可能な年齢範囲


全ての保険には加入可能な年齢範囲があります。

勿論、学資保険も例外ではありません。

しかし、学資保険には他の保険と大きく異なる点があります。

まず、学資保険ではない保険。

死亡保険でも医療保険でも良いのですが、それらには契約者と被保険者が同じという契約形態もあれば、別人という契約形態もあります。

そして、いずれの契約形態においても、加入可能な年齢範囲は被保険者にしか定められていません。

一方、学資保険は必ず、契約者と被保険者は別人になりますよね。

そうです、契約者がご両親や祖父母様等の大人で、被保険者がお子様という事ですね。

そして、加入可能な年齢範囲は契約者と被保険者の双方に定められています。

加入可能な年齢範囲は保険会社によって異なるのですが、1つの保険会社でもプランによって異なります。

例えば、ソニー生命では学資金の受取り方の異なるⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型の3つのタイプの学資保険を扱っています。

  • Ⅰ型:大学の教育資金に加え、中学校・高校等の入学費用を準備できるプラン
  • Ⅱ型:大学の進学時のみ、或いは進学時と卒業時の2回、学資金を受取るプラン
  • Ⅲ型:大学の入学時から毎年、計5回学資金を受取るプラン

これらのプランですが、契約者・被保険者の契約可能な年齢範囲はタイプによって異なっています。

その他、幾つかの保険会社について表1にまとめましたので、ご覧下さい。

表1 <保険会社別 加入可能な年齢範囲>

※お子様は出生予定日の140日前から加入でき、その場合の契約年齢は0才と見なします。

表1を基に傾向を分析してみましょうか。

ソニー生命の箇所をご覧下さい。

3つのタイプの学資保険があります。

加入可能な年齢範囲は、契約者・被保険者ともに大学の教育資金の他に、中学校・高校の入学費用を準備できるⅠ型が短いですよね。

他の保険会社においても、学資金を受取る時期が早いタイプほど、契約者・被保険者共に加入可能な年齢範囲が狭くなっています。

では次に、加入可能な年齢範囲と保険料払込期間との関係を見てみましょう。

どういう事かって?

それは学資保険の場合、

という事が生じるからです。

表2は、ソニー生命についてまとめたものです。

表2 <ソニー生命 加入可能な年齢範囲と保険料払込期間>

※満期と保険料払込期間は被保険者の年齢で表しています。

表2から分かる事は同じⅠ型同士、Ⅱ型同士でも保険料払込期間を短くした方が、加入可能な年齢範囲が広くなるという事です。

裏を返せば、契約者であれ被保険者であれ、少し年を重ねてから学資保険に入ろうとすれば、保険料払込期間を短くしなければならないという事ですね。

参考までに他社についてもご紹介しておきます。

表2’<保険会社別 加入可能な年齢範囲と保険料払込期間>

※¹日本生命については、満期は学資金受取り開始年齢の事です。

※²日本生命について、保険料払込期間5年・10年というのはお子様の年齢ではなく期間で設定するという事です。

17才(18才)までというところのみ、学資年金受取り開始であるお子様の年齢で設定します。

保険料払込期間


既に述べたように、学資保険は保障期間とは別に保険料払込期間を設定する事ができます。

選択できる保険料払込期間が、保険会社によって様々である事や、契約者と被保険者の年齢や学資保険のタイプによって制限される様子も、前項でご確認頂きましたね。

保険料払込期間をチェックするに当たって大事な事は、皆さんのご希望通りのものを選べるかどうかという事です。

皆さんが色々と調べて、どこの保険会社のどのタイプが良いと決め、年齢的にも加入可能だと確認できたとします。

しかし、年齢の関係で保険料払込期間を短くしなければならないなんて事になると…

また1つ大きな問題が生じ兼ねないからです。

その詳細は、次項でご説明しますね。

返戻率


返戻率を学資保険の「肝」とお考えの人は多いと思います。

私が当事者だったら、私もやはり返戻率を重視すると思います。

返戻率は、払込保険料の総額に対して受取り総額がどの程度かを示す率ですね。

学資保険の場合、受取り総額は決まっていますから、払込保険料の総額を安くできれば返戻率が上がるという事になりますよね。

ところで!

皆さんは、返戻率に大きく影響するものは何だと思われますか?

はい、確かにそれは正解です。

しかし、同じ保険会社の同じタイプの学資保険でも、返戻率を大きく変える要素があるのですよ。

それが以下の4つです。

  • 約者・被保険者の加入年齢
  • 契約者を誰にするか
  • 保険料の払い方
  • 学資金受取り開始年齢

さて、死亡保険でも医療保険でも良いのですが、全く同じ保険であっても契約者の性別や年齢で保険料が異なる事は皆さんもご存知の事と思います。

その理由は、保険料が死亡率や罹患率‐りかんりつ‐(病気にかかり易さ)から統計学的に割り出されているからですね。

従ってザクッと言えば、性別では女性、年齢ではより若い人の方が保険料は安くなります。

学資保険も決して例外ではないので、契約者を誰にすると保険料が安いか、是非見積ってもらいましょう。

一方、貯蓄性のある(掛け捨てではない)保険は、保険料をできるだけまとめて支払った方が貯蓄性が高まります。

「保険料をまとめる」とは、月払いより半年払いや年払いにする事と、保険料払込期間をできるだけ短くするという事です。

しかし、そこで気を付けなければならないのは、「まとめる」わけですから1回の保険料が高額になるという事です。

前項で言った、年齢の関係で保険料払込期間を短くすることで生じる問題とはこの事です。

保険料払込期間が短くなると1回の保険料が高くなり、最悪の場合、途中解約なんて事になってしまいます。

ちなみに保険料を最もまとめて支払う方法は全額を一括前納する事です。

一括前納すれば同一プランでも返戻率は最高になります。

しかし、全額とは行かないまでも5年分や7年分といった一部前納でも返戻率UPには有効ですよ。

下記のデータはソニー生命のⅢ型の学資保険について比較したものです。

ご契約者は30才男性と固定し、保険料払込期間とお子様の加入年齢だけを変えて返戻率がどう変わるかを調べた結果です。

お子様の年齢が幼ければ幼いほど、そして保険料払込期間が短いほど、返戻率が高くなっているのが確認できますね。

この傾向はご契約者の年齢についても言えます。

ただし、ソニー生命に関しては性別による保険料の違いは無いようです。

ソニー生命の学資保険については下記記事で詳しく解説をしています。

ソニー生命の学資保険2018年12月最新返戻率とFPが教える4つのポイントとシュミレーション

また、上記は保険料を月払いにした場合のデータですが、それを年払いにするだけで返戻率は1%近く上がりますよ。

学資保険の返戻率に影響を与えるもう1つの要素は、学資金受取り(開始)年齢です。

保険会社のみならず、基本的にお金は長く預けておく方が増えます。

短期間で保険料を払い終えたり、お子様の年齢が幼い内に加入したりすると、返戻率が上がる理由はそれです。

大学入学に合わせて学資金を受取るプランでは、受け取る年齢を(選べる保険会社であれば)17才ではなく18才にする事ができます。

こうする事でもお金を預けておく期間を長くでき、返戻率が上がるのです。

しかし、18才受取りにした場合、気を付けなければならない点が有りましたね。

「学資金は入学金納付に間に合えば良い」との考えで返戻率を追求するのであれば、18才受取りにすれば良いのですよ。

保険料払込免除


学資保険では、保険料払込期間中にご契約者が死亡した場合、以後の保険料は一切不要となりながらも、学資金は最初の契約通り受取る事ができます。

保険会社によっては、ご契約者が高度障害状態や不慮の事故で所定の身体障害の状態に該当した時にも保険料が不要となる所もあります。

保険料払込免除がある事が、学資保険の保険たるゆえんですよね。

ご契約者に上記のような事があって貯蓄が難しくなっても、お子様の教育費の心配はありません。

税金


税金の事もザクッとで良いので、知っておかれると良いと思います。

疑問に思われた人もいるかもしれませんね。

それくらい学資保険については、増やして受取る事ばかりに意識が行ってしまいがちですが、受取った学資金も「所得」と見なされ税金の対象になるのですよ。

詳しい事は別のところで説明させて頂いていますので、そちらをご確認ください。

学資金は受取り方の違いによって以下のように所得の種類が異なり、税金の計算方法や納税の仕方が変わります。

どちらの所得であれ受取った金額全てに税金がかかるのではありません。

支払った保険料が支出金額や必要経費の形で引かれますし、一時所得には更に50万円の控除がありますので有利です。

だったら、学資金が一時所得になるように受取る事のできる保険会社を選びたいと思いますよね。

しかし、皆さんが会社員や公務員などでお給料以外に収入が無い場合は、学資金から算出した課税価格が20万円以内であれば申告する必要はありません。

いずれにしても税金がかかる心配はほとんどありません。

むしろ意識して頂きたいのは、受取人を誰にするかです。

受取り人を契約者(保険料負担者)以外にすると生前贈与になり、受取り方や支払った保険料に関わらず、110万円を控除した残りが課税対象になります。

もしも学資保険以外に贈与されたものがあれば、それも全て合算した上での110万円の控除ですので、こうなると納税は免れないでしょうからね。

学資保険と税金の関係については下記のページで詳しく解説をしています。

学資保険の税金ってどうなってるの?保険プランナーが教える税金のこと

FPが教える学資保険おすすめの選び方


さて、学資保険を選ぶ上での6つのチェックポイントをご紹介しました。

皆さんの中にはもう、学資保険はどこに着目すれば良いのかのイメージができている事と思います。

最後に私のお勧めの選び方を書かせて頂きますので、どうぞご参考になさって下さいね。

  • 加入は少しでも早く!できれば、お子様の出生予定日の140日前に!
  • 選べる保険会社なら大学入学時の学資金受取り年齢を18才にする

加入する時期を意識すれば、AO入試・推薦入試等の様々な受験に間に合います。

  • 無理のない範囲で返戻率をUPさせる工夫を!

誰を契約者にするかは吟味(機械的にお父さんにするのではない)しましょう。

保険料の違いと、万一の時の保険料払込免除とをはかりに掛けておきましょう。

保険料は払込期間を短くしたり、年払いにしたりして無理のない程度にまとめましょう。

お子様の誕生祝や独身時代に貯めたお金があれば、保険料の一部でも前納を(前納割引あり)しましょう。

  • 保険料払込免除の要件は多い方が良い

要件が影響して返戻率が低い保険会社もあるので、そこは返戻率と相談して決めましょう。

  • 学資金受取人は契約者本人に!
  • 医療保険等の特約は別の方法で!学資保険は単品で返戻率を追求

以上が私のお勧めの選び方です。

ご参考になれば幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です